スピッツ / ロビンソン
今日は先に曲を流そう
曲を聴きながら物語を読んで欲しい
写真はgeminiで作成した
geminiは写真を生成するのがとても得意だ
ではスピッツ 【ロビンソン】行ってみよう
ある町に、中学二年生の少年と少女がいました。
お互いに好きでした。
けれど、二人とも恥ずかしがり屋で、
本当の気持ちを言えずにいました。
話すときは、少し距離をあけて。
目が合うと、すぐにそらしてしまいます。
春が来ました。
新しい季節は、なぜか胸が落ち着きません。
少女は河原の道を、自転車で走っていました。
後ろから、少年が走ってついてきます。
「また自転車?」
「うん。私、風が好きだから」
草のにおいと、やわらかい光。
「好き」と言いたい言葉は、風に消えてしまいました。
少年の脇には、黒い鞄。
中には、もう聴かなくなったレコード。
「それ、なに?」
「……思い出(きみがくれたレコード)」
それ以上、言えません。
交差点の帰り際で、二人は同じ言葉を言いました。
「じゃあ、また明日」
「じゃあ、また明日」
その瞬間、世界が少しだけ、ふわりと揺れました。
気がつくと、二人は空に浮かんでいました。
「え……?」
「夢かな」
二人は手を離さないように、ぎゅと握ります。
「離したら、落ちる?」
「……たぶん」
誰も触れない、
道のはしには、捨て猫。
空には、暗くなる前の細い三日月。
猫も月も、
何も言わずに彼らを見ていました。
「ねえ」
「なに?」
「本当は……」
「……うん」
言葉にしかけたとき、
風が強く吹きました。
次の瞬間、
二人は河原の道に立っていました。
自転車も、袋も、
ちゃんとそこにあります。
「……夢だったのかな」
「でも」
少年は、深呼吸して心落ち着かせて言いました。
「好き、です」
少女は顔を赤くして、
でも、逃げませんでした。
「……私も」
春の風は、もうせつなくありません。
二人は並んで、前を見ます。
少し照れながら、
でも、ちゃんと現実の中で。
新しい季節を、
一緒に生きていくために。
ーほいたらねー
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