【ロンリーチャップリン】 鈴木聖美・鈴木雅之
タカシ「ノブはさ、どうしてそんなふうに、静かに俺の心に入ってくるんだろうな」
窓辺に立つタカシは、夜の光を背にして外を見ていた。
ノブはその横顔を見つめ、息をひそめる。
ノブ「急にどうしたの?」
タカシ「お前がそばにいるだけで、世界が少しやわらぐ。
それが、怖いんだ」
ノブ「見ないほうがいい?」
タカシ「見ないでくれ。
……俺の気持ちが壊れてしまう」
胸が、静かに締めつけられる。
ノブ「行くの?」
タカシ「うん。しばらく、遠くへ」
ノブ「引き止めてほしい?」
タカシ「……本当は」
ノブ「じゃあ、言わない」
タカシ「ノブらしいな」
タカシは小さく笑った。
その笑顔が、あまりにもやさしい。
タカシ「ノブには、ちゃんとした未来がある」
ノブ「私の未来に、タカシはいないの?」
タカシ「……いないほうが、ノブにとって幸せだ」
そう言いながら、タカシの指は
ノブの袖を、そっとつかんでいた。
ノブ「離す気なんか、ないじゃない」
タカシ「……ばれたか」
夜風が、カーテンを揺らす。
タカシ「俺は、ノブを縛らないよ」
ノブ「うん」
タカシ「でもな……」
ノブ「なに?」
タカシ「誰かに笑いかけるときに、
一瞬でいいから、俺を思い出してほしい」
ノブ「それ、独占だよ」
タカシ「そうだな。でも、触れない独占だ」
ノブは、静かに首を振る。
ノブ「約束はできない」
タカシ「それでいい」
少し間を置いて、タカシが言う。
タカシ「忘れなくていい」
ノブ「……忘れない」
月日が流れる。
街角で、懐かしいメロディーが流れた夜。
ノブが足を止める。
タカシ「やっぱり、ノブだったか」
振り返ると、そこにタカシがいた。
少し大人びて、でも変わらない声で。
ノブ「遅かったね」
タカシ「うん。でも……」
ノブ「でも?」
タカシ「忘れてない顔をしてた」
ノブ「忘れるわけないでしょ」
タカシ「それを聞けただけで、もう十分さ」
タカシは一歩だけ近づき、止まる。
ノブ「触れないの?」
タカシ「触れたら、戻れなくなる」
ノブ「じゃあ、このままいて」
タカシはうなずき、穏やかに言った。
タカシ「ありがとう」
ノブ「なにが?」
タカシ「俺を、独りにしなかったこと」
夜空の下、
言葉にしなかった想いだけが、
静かに、確かに、そこに残った。
ーほいたらねー
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【ロンリーチャップリン】 鈴木聖美・鈴木雅之
遠くを見る目に 風が映る
いつかそんなことがあったね
窓辺にもたれた あなたの顔
私だけに見せる 哀愁
ロンリー・チャップリン
時が過ぎ あなたが消えても
きっと待つわ
少年のように ほほえんで
あなたの帰る場所は
私の胸でしょうね
見果てぬ夢が ある限り
Oh, Do what you wanna do again
Oh, Do what you wanna do again
コバルト色した 空をながめ
指を折って月日を数える
あなたは私を 恋人じゃない
友達さと言うけど違うわ
ロンリー・チャップリン
あなたから 愛され私は
変わったの
二人をつなぐ あのメロディー
どこから聞こえるのか
いつかわかるでしょうね
見果てぬ夢が ある限り
Oh, Do what you wanna do again
Oh, Do what you wanna do again
二人をつなぐ あのメロディー
どこから聞こえるのか
いつかわかるでしょうね
見果てぬ夢が ある限り
Oh, Do what you wanna do again
Oh, Do what you wanna do again