【幸せな結末】 大滝詠一
「……で? それ、誰に刺さるわけ?」
会議室で、片桐哲平は腕を組んだまま、淡々と言った。
声は低く、遠慮がない。
「ちょっと、言い方あるでしょ」
上杉理子が即座に噛みつく。
明るい声、でも目は真剣だ。
「感情論はいらない」
「感情を動かす仕事で、そんなこと言うの?」
最悪の出会いだった。
テンポも価値観も、まるで噛み合わない。
「あなたって、ほんと可愛げない」
「君にそっくりそのまま返す」
それなのに。
夜遅く、誰もいなくなったフロアで、
哲平は黙って理子の資料を直していた。
「……あれ?」
机の上に置かれた修正済みの企画書。
「誰がやったんだろう?」
「知らないね。勝手に置いてあったんじゃない?」
哲平の嘘だとわかっている。
でも礼を言わせる気はないらしい。
「ほんと、めんどくさい人」
そう言いながら、
理子の胸が、少しだけ温かくなる。
――気づけば、
哲平はいつも“何も言わずに”助けていた。
「無理すんな」
「……は?」
「顔に書いてある」
それだけ言って、立ち去る背中。
(ずるいな)
優しさを、誇らない。
弱さも、見せない。
でも――
理子には、想っている人がいた。
哲平もまた、終わったはずの恋を引きずっていた。
「好きになったら、面倒なだけだ」
哲平はそう言う。
まるで自分に言い聞かせるみたいに。
「逃げてるわけじゃない、傷つくよりマシだ」
近づくほど、怖くなる。
手を伸ばせば、失いそうで。
すれ違って、
言い過ぎて、
離れかけて。
「もう、やめよっか」
理子がそう言った夜。
哲平は初めて、黙り込んだ。
都会のネオンが滲む交差点。
人波の中で、彼は小さく息を吐く。
「……駆け引きとか、計算とかさ」
理子を見る。
「そんなの、最初からできなかった」
一歩、近づく。
「素直になるの、死ぬほど怖いけど」
声が少し震える。
「それでも――」
「……お前が好きだ」
理子の目が、揺れる。
「今さら?」
「今だからだ」
強がりも、余裕も、全部置いてきた。
都会の真ん中で、
不器用な二人が選んだのは、
完璧な答えじゃない。
臆病なまま、
それでも誰かを信じるという選択。
理子は、ふっと笑った。
「ほんと、遅い」
そして、
そっと哲平の袖をつかむ。
「でも……嫌いじゃない」
胸が、確かに静かに鳴った。
ーほいたらねー
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【幸せな結末】 大滝詠一
髪をほどいた 君の仕草が
泣いているようで 胸が騒ぐよ
振り返るのは 終わりにしよう
他の誰でもなく 今夜君は僕のもの
さみしい気持ち 隠して微笑う
強がる君から 目が離せない
昨日じゃなくて 明日じゃなくて
帰したくないから 今夜君は僕のもの
踊り出す街に 二人の今を
探し続けて はしゃいだあの日
さよなら言うよ 虚ろな恋に
いつまでも離さない 今夜君は僕のもの
走り出す街で 二人の明日
夢に描いて 見つけた夜明け
あふれる思い 押さえきれない
幸せな結末 きっと見つける
今なら言える 素直になれる
いつまでも 愛してる
今夜君は僕のもの
今夜君は僕のもの
今夜君は僕のもの
Baby you're mine
Baby you're mine
Baby you're mine
Baby you're mine
最後までお読みくださりありがとうございました。

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髪をほどいた 君の仕草が
泣いているようで 胸が騒ぐよ
振り返るのは 終わりにしよう
他の誰でもなく 今夜君は僕のもの
さみしい気持ち 隠して微笑う
強がる君から 目が離せない
昨日じゃなくて 明日じゃなくて
帰したくないから 今夜君は僕のもの
踊り出す街に 二人の今を
探し続けて はしゃいだあの日
さよなら言うよ 虚ろな恋に
いつまでも離さない 今夜君は僕のもの
走り出す街で 二人の明日
夢に描いて 見つけた夜明け
あふれる思い 押さえきれない
幸せな結末 きっと見つける
今なら言える 素直になれる
いつまでも 愛してる
今夜君は僕のもの
今夜君は僕のもの
今夜君は僕のもの
Baby you're mine
Baby you're mine
Baby you're mine
Baby you're mine
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