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【俺たちの旅再放送】
2025年10月20日(月)スタート!
毎週月~金曜 12:00~13:00放送
日テレBS



ですって!

え!

BS入ってない!?

こりゃまた

失礼しました。

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ここから短編小説です。

 奈々は、学校帰りにふと足を止めた。
 三か月ぶりかな、あの古本屋。
 坂道の途中にぽつんとあるその店は、かつて太郎と二人でよく立ち寄った場所だった。

 古本屋で棚にぎっしり並んでいる本の背表紙を、指先でそっとすーっと触わると、不意に胸の奥がざわめいた。
 ――今も、あの棚の前で太郎が立ち読みをしていそう。
 そんな錯覚にとらわれて、奈々は小さく息をのむ。

 太郎が東京へ行ってしまったのは、親の仕事の都合だった。
 手紙はときどき届くけれど、あの声も、笑顔も、もう三か月も見ていない。
 不慣れ純粋な恋だった。
 せいぜい手をつなぐことしかできなかったけれど、それでも奈々にとってはそれが心の支えだった。

 ――青春って、長い坂を登るみたいだな。
 途中で息が切れて、立ち止まりたくなるときがある。
 でも、そんなときに太郎の手がそっと包んでくれたなら、どれほど気持ちよく泣けただろう。


 古本屋を出た奈々は、坂の上にある公園へ向かった。
 そこには、二人で並んで座ったベンチがまだ残っていた。
 白いペンキははげ落ち、木目がところどころむき出しになっている。
 奈々はそこにそっと手のひらを置いた。
 ――あぁ、ここに太郎がいた。
 ひんやりとした板の冷たさの奥に、今も太郎のぬくもりが息づいている。

 「好き」とも、「愛している」とも言えなかった。
 でも、お互いにちゃんとわかっていたんだ。
 ――もう一度、同じ道を歩きたい。

 太郎の強い腕に しがみつきたい。
 太郎といた年月が 矢のように過ぎ去って。
 残された悲しみが 私の心の中にしゃがみこんでいる。

 誰にもたどりつける先は わからないけど、
 そんな時なら、ほら太郎が なぐさめに駆けてくる 。
 そんな倖せの足音が 今、背中に聞こえる。
 またいつか会えるのだから。

 ーほんならねー

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青春の坂道 / 岡田奈々


最後までお読みくださりありがとうございました。
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